クアラルンプール、夜。怪しげな賭けに負け瀕死の重傷を負った宿無しの男(リー・カンション)を必死に介抱する出稼ぎ労働者のラワン(ノーマン・アトン)。同じ街の片隅で、ウェイトレスをするかたわらオーナーの昏睡状態の息子を介護している女(チェン・シャンチー)。日々の暮らしに疲れ果てた女は、傷の癒えた男と出会い、惹かれていく。ラワンと女の胸に深く棲みつく男への想い。

湿気を含んだ街並み、モーツァルトからチャップリンまで全編にあふれる音楽、建設半ばで打ち捨てられたオペラハウスのような巨大な廃墟。そして廃墟にたまる水のよどみの静寂に立ち現れる、限りない幸福感に満ちたラストシーン。ツァイ・ミンリャンが初めて故郷マレーシアで撮影した本作は、これまでにない優しさと愛おしさにあふれている。

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